東南アジア共通費用・稟議・効果報告
東南アジアの PR はどの国から始める?1 か国と 6 か国同時の決め方
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東南アジアの販売を担当しています。現地向けの PR を始めたいのですが、予算が限られていて、6 か国すべてに出すか、どこか 1 か国に絞るかを決められずにいます。どの国から始めるのがいいんでしょうか?
先に答えを言うと、最初の 1 か国は、拠点か商談相手がいる国です。人口や市場の大きさで選ぶ必要はありません。6 か国に同時に出したほうがいい場面もありますが、数は限られます。
社内では「6 か国まとめて出したほうが効率的だ」という声と、「まず 1 か国で試すべきだ」という声の両方があって、話が進まないんです。
そこで止まる日本企業は多いです。今日は、国を選ぶ基準と、同時に出す場面、広げていく順番を順に決めていきましょう。
東南アジアの PR をどの国から始めるかで迷う理由
そもそも、なぜこんなに決めにくいんでしょう。国内の発表なら、出すか出さないかだけで済むのですが。
日本では、日本語の原稿が 1 本あれば全国に届きます。東南アジアは 6 か国で言語も媒体も別なので、「東南アジア向けに 1 本出す」という出し方がありません。出す国を 1 つずつ決める必要があり、そのたびに「なぜこの国なのか」を社内で説明することになります。
国内と同じ感覚で、ひとまとめに考えていました。
費用の見え方も迷う原因になります。手段によっては国ごとに金額が違い、見積もりを取らないと総額が分かりません。そうなると「安く出せる国から」という選び方になりやすく、届けたい相手がいる国が後回しになります。
たしかに、見積もりが安かった国から始めようという話が出ていました。
先に届けたい相手を決めて、費用はそのあとで確かめる順番で考えてみてください。まずは 6 か国の基本的な数字を見ておきましょう。
6 か国の人口と言語を並べる
国を選ぶ前に、6 か国がどのくらい違うのかを知っておきたいです。
日本貿易振興機構 (JETRO) が国ごとに公開している基本情報から、人口と言語を並べました。
| 国 | 人口 | 言語・公用語 | 原稿の言語の目安 | 出典 (JETRO 概況・基本統計) |
|---|---|---|---|---|
| インドネシア | 2 億 8,444 万人 (2025 年) | インドネシア語 | インドネシア語 | 2026 年 7 月 1 日更新 |
| ベトナム | 1 億 235 万人 (2025 年) | ベトナム語、ほかに少数民族語 (公用語はベトナム語) | ベトナム語 | 2026 年 7 月 1 日更新 |
| タイ | 6,581 万人 (2025 年) | タイ語 | タイ語 | 2026 年 6 月 30 日更新 |
| マレーシア | 3,423 万人 (2025 年) | マレー語、英語、中国語、タミル語 (公用語はマレー語) | 英語から始める | 2026 年 8 月 19 日更新 |
| フィリピン | 1 億 1,272 万人 (2024 年) | フィリピノ語、英語、セブアノ語など (公用語はフィリピノ語と英語) | 英語 | 2026 年 7 月 2 日更新 |
| シンガポール | 611.1 万人 (2025 年) | 公用語は英語、中国語 (北京語)、マレー語、タミル語 | 英語 | 2026 年 6 月 18 日更新 |
人口だけ見るとインドネシアが飛び抜けていますね。やはり一番大きい国から出すべきですか?
人口は約 2 億 8,000 万人のインドネシアが最多で、シンガポールは約 611 万人です。ただ、人口の多さは、自社の発表を読んでほしい相手がそこにいるかどうかとは別の話です。拠点も商談もない国に出しても、掲載された記事を見せる相手がいません。
載ったあとに使う場面がない、ということですね。
掲載記事は、代理店候補に送る、商談の資料に入れる、採用のページに載せる、といった使い方をして初めて役に立ちます。使う相手がいる国が、先に出す国です。
国を選ぶときに見るもの
- 自社の拠点、代理店、商談中の相手、採用の予定がある国か
- 掲載された記事を、誰に、どの場面で見せるかが決まっているか
- 原稿をその国の言語で用意できるか
- 人口や市場規模は、上の 3 つが同じくらいの国どうしを比べるときに見る
見せる相手がいる国、という基準は分かりました。候補が 2 つ以上あるときの決め方を聞かせてください。
最初の 1 か国は拠点と商談相手がいる国にする
「拠点か商談相手がいる国」が基準だとして、うちはタイに販売会社があり、ベトナムで代理店と交渉中です。この場合はどちらが先ですか?
日付が決まっている予定があるほうを先にします。たとえばベトナムの代理店との契約が 2027 年 3 月に決まっているなら、その発表に合わせてベトナムから始めます。予定が特になければ、すでに社員がいて、掲載記事をすぐ営業に使えるタイが先です。
判断の順番を、社内で説明できる形にしたいです。
次の順で絞ると、理由を書き残しやすくなります。
手順
届けたい相手を 1 つ決める。代理店候補、取引先、採用の候補者、消費者のどれかに絞る
その相手がいる国を書き出す。拠点、代理店、商談、採用の予定がある国だけを残す
残った国のうち、契約、開業、展示会など日付の決まった予定がある国を先にする
その国の言語を確かめ、原稿を用意する方法を決める
配信したあとに掲載記事を誰に見せるかを、配信前に決めておく
3 番目までで、ほとんど 1 か国に決まりそうです。
1 か国目で、原稿の直しや社内の確認に何日かかるかが分かります。その日数が、2 か国目以降の計画を立てるときの目安になります。
なるほど。次に、国を増やすと何が増えるのかを知りたいです。
国を増やすと原稿は言語の数だけ要る
6 か国に出す場合、原稿は 6 本必要になるんでしょうか?
6 本ではなく、言語の数だけ要ります。インドネシア、ベトナム、タイはそれぞれの現地語が基本で、フィリピンとシンガポールは英語で出せます。マレーシアは英語から始められるので、6 か国すべてに出すなら、英語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語の 4 言語が目安です。
| 出す国の組み合わせ | 要る原稿の言語 | 言語の数 |
|---|---|---|
| シンガポールだけ | 英語 | 1 |
| シンガポール、マレーシア、フィリピン | 英語 | 1 |
| タイとベトナム | タイ語、ベトナム語 | 2 |
| インドネシア、ベトナム、タイ | インドネシア語、ベトナム語、タイ語 | 3 |
| 6 か国すべて | 英語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語 | 4 |
英語で出せる 3 か国は、同じ原稿を使えるんですか。
言語は同じで済みます。ただ、最初の段落に書く「なぜこの国で発表するのか」は国ごとに変えたほうが読まれやすいので、書き出しだけは国に合わせて直してください。言語ごとの判断は東南アジア向けプレスリリースは何語で出す?6 か国の公用語と判断の順番に詳しく書いています。
言語が増えると、翻訳の費用以外に何が増えますか?
確認の手間です。翻訳した原稿は、その言語を読める人が一度は目を通す必要があります。4 言語を同じ日に出すなら、4 言語分の確認を同じ締め切りでそろえることになります。
国を増やす前に確かめること
- 現地語の原稿を、配信前に読んで確認できる人がその言語ごとにいるか
- 社名、商品名、人名の現地での表記が、言語ごとに決まっているか
- 問い合わせが来たときに、その国の言語か英語で返事をする担当が決まっているか
- 掲載記事を見せる相手が、出す国のすべてにいるか
問い合わせの担当までは考えていませんでした。
出す国の数は、対応できる国の数に合わせるのが無理のない決め方です。ここまでは絞る話でしたが、同時に出したほうがいい場面もあります。
6 か国に同時に出す意味がある場面
逆に、最初から複数の国に同時に出すべきなのはどんなときですか?
発表の内容そのものが、複数の国にまたがっているときです。代表的なのは、域内を統括する会社の設立や体制の変更と、周辺国からも来場者が集まる展示会への出展です。
| 場面 | 出し方 | 理由 |
|---|---|---|
| 域内統括会社の設立、統括体制の変更 | 統括する対象の国に同時 | 各国の取引先に、窓口が変わることを同じ日に知らせたい |
| 複数国で同じ日に発売する商品、サービス | 発売する国に同時 | 国によって発表日がずれると、先に出た国の情報が他の国に伝わる |
| 周辺国からも来場者がある展示会への出展 | 開催国と、来場してほしい相手がいる国 | 会期が決まっていて、あとから出しても来場につながらない |
| 1 か国での拠点開設、代理店契約、採用 | その国だけ | 発表の内容がその国に限られる |
統括会社というと、シンガポールに置く会社が多い印象があります。
JETRO がシンガポール、タイ、マレーシア、インドの日系企業に聞いた 2023 年の調査だと、地域統括の機能を持つと答えた企業はシンガポールが 87 社で、タイの 21 社、マレーシアの 11 社を上回っています。シンガポールに置く理由として最も多かったのは「周辺地域へのアクセスが容易」で、85.1% でした。
統括会社がシンガポールにあるなら、シンガポールで発表すれば足りませんか?
シンガポールの読者には届きますが、統括される側の国に同じように届くとは考えないほうがいいです。インドネシア、ベトナム、タイは現地語で読まれるので、知らせたい取引先がいる国には、その国の言語で別に出します。届く範囲の考え方はシンガポールのプレスリリースが東南アジアに届く範囲|周辺国向けとの組み合わせ方にまとめています。
展示会の場合は、開催国だけでは足りないんですか。
来てほしい相手が開催国の中にいるなら、開催国だけで構いません。周辺国の代理店候補にも来場してほしいなら、その相手がいる国にも会期の前に出します。出す時期は海外展示会の出展告知を東南アジアの現地メディアに出す手順|会期前後の 3 回を参考にしてください。
同時に出すかどうかの見分け方
- 発表の内容が複数の国に関係しているなら、関係する国に同時に出す
- 発表日がずれると困る相手 (取引先、来場者) がいる国は、同じ日にそろえる
- 関係のない国まで広げない
- 同時に出す場合も、原稿の確認と問い合わせ対応の体制を先に決める
「同時に出す」といっても、6 か国すべてとは限らないんですね。では、1 か国から始めたあとの広げ方を教えてください。
段階的に広げる順番の決め方
1 か国目を出したあと、2 か国目、3 か国目はどう選べばいいですか?
選び方は 2 つあります。1 つは同じ言語で出せる国を次にする方法です。1 か国目がシンガポールなら、次はマレーシアかフィリピンにすると、英語の原稿をもとにして書き出しを直すだけで済みます。
もう 1 つは何ですか。
予定の日付が近い国を次にする方法です。1 か国目がタイで、半年後にベトナムで代理店契約の発表があるなら、言語は増えますがベトナムが 2 か国目です。届けたい相手がいる国が優先で、言語が同じかどうかは、候補が複数あるときの決め手に使います。
広げる間隔に目安はありますか?
決まった型はないようです。目安にするなら、1 か国目の掲載結果を社内に報告し終えてから次に進むことです。報告まで終えると、原稿の準備から報告までの日数と、社内で聞かれる質問が分かります。
順番の理由が書けると、稟議でも説明しやすくなります。最後に、配信する手段を比べたいです。
複数の国に出す手段と費用の比べ方
国を増やしていくとき、配信の手段によって何が変わりますか?
手段は、自社で媒体に直接送る、配信サービスを使う、現地の PR 会社に委託する、の 3 つに分けられます。国を増やすときの違いを並べるとこうなります。
| 手段 | 国を増やすときの手間 | 費用の決まり方 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| 自社で直接送る | 国ごとに媒体の連絡先を集め直す | 社内の人件費が中心 | 現地に広報担当がいて、記者とのつながりがある |
| 配信サービスを使う | 出す国を選んで入稿する | サービスにより、国別の料金か一律料金 | 現地に広報担当がおらず、国を少しずつ増やしたい |
| PR 会社に委託する | 国ごとに委託先を探すか、複数国を扱う会社に頼む | 見積もりで決まることが多い | 継続的に発信し、取材対応まで任せたい |
配信サービスでも、国によって料金が違うものがあるんですね。
あります。国ごとに金額が違うと、安い国を先にしたくなります。たとえば海外PR.jp は 1 か国 1 配信が 50,000 円 (税別) の一律で、どの国でも 10 媒体以上への掲載が保証されています。料金と保証数が国によって変わらないので、国の選び方を費用に左右されずに決められます。
複数の国に出すときの費用はどう考えればいいですか?
配信は国の数、翻訳は言語の数だけかかります。翻訳オプションは 1 言語 20,000 円 (税別) で、英語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語に対応しています。1 か国に 1 言語で出すなら、合わせて 70,000 円 (税別) です。配信予約を使えば複数の国に同じ日に出せます。時期によってキャンペーン価格の場合があるので、複数国の正確な金額は公式サイトで確認してください。
国ごとの料金が同じなら、予算に合わせて国の数を決められますね。
どの手段でも、先に決めるのは届けたい相手と国の順番です。費用の内訳の見方は海外プレスリリース配信の費用は何で決まる?東南アジア向け見積もりの確認項目で確認できます。最後に、場面ごとの判断を表にしておきます。
場面別のまとめと確認先
社内で共有できるように、判断を一覧にしてもらえますか。
自社の状況に近い行から見てください。人口や言語などの基本情報は更新されるので、計画を立てるときにJETRO の国・地域別情報 (アジア)で最新の記載を確認してください。
| 自社の状況 | 出す国 | 次にすること |
|---|---|---|
| 拠点や商談相手がいる国が 1 つ | その 1 か国 | 掲載記事を見せる相手を決めてから配信する |
| 拠点が複数国にあり、予定の日付がある | 予定が近い国から 1 か国ずつ | 1 か国目の報告を終えてから次へ進む |
| 域内統括の設立、体制変更を発表する | 統括する対象の国に同時 | 言語ごとの確認者と問い合わせ担当を決める |
| 周辺国からも来場者がある展示会に出る | 開催国と、来てほしい相手がいる国 | 会期から逆算して配信日を決める |
| まだ拠点も商談相手もない | 急いで出さない | 届けたい相手がいる国が決まってから計画する |
ありがとうございます。関連する記事はどこから探せますか?
予算や稟議、報告の話は費用・稟議・効果報告に、国ごとの媒体の話は現地メディア事情にまとめています。統括会社の発表はシンガポール統括会社の設立を現地で発表する方法|発表に入れる情報と順番も参考になります。
よくある質問
いくつか細かい質問をさせてください。まだどの国にも拠点がない場合は、どの国から出せばいいですか?
代理店を探している国や、展示会に出る予定の国があれば、そこが 1 か国目です。どの国にも予定がないなら、急いで出さず、届けたい相手がいる国が決まってから計画するほうが掲載記事を使えます。
1 か国目の結果が出るまで、2 か国目は待ったほうがいいですか?
決まった間隔はありません。目安は、1 か国目の掲載結果を社内に報告し終えた時点です。ただ、2 か国目に日付の決まった発表があるなら、それに合わせて並行して準備を進めて構いません。
6 か国に同時に出すと、1 か国ずつ出すより多く載りますか?
国ごとの掲載数が同時に出すことで増えるとは言えません。同時に出す利点は、発表日を国の間でそろえられることです。発表の内容が複数の国に関係しているかどうかで決めてください。
参考にした公開情報
執筆・編集: 海外PR.jp 編集部 (VRI Creatives)。東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。
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