東南アジア共通費用・稟議・効果報告
海外プレスリリース配信の費用は何で決まる?東南アジア向け見積もりの確認項目
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来期の予算に、東南アジア向けのプレスリリース配信を入れることになりました。3 社に見積もりを頼んだのですが、金額の桁も項目もばらばらで、どれが高いのか安いのか判断できません。海外プレスリリース配信の費用には、相場のようなものはあるんでしょうか?
「1 本いくら」という共通の相場は、探しても見つからないと思います。会社によって、料金の単位そのものが違うからです。国ごとに値段を付ける会社もあれば、地域をまとめて 1 つのプランにしている会社もあります。
単位が違うなら、合計額を並べても比べられないわけですね。
はい。合計額の前に、その金額に何が含まれているかをそろえるのが先です。今日は費用の内訳を 3 つに分けて、見積もりで確認する項目を順に見ていきます。金額の例は、料金表を公表している配信サービスの記載から、社名を伏せて紹介します。
海外プレスリリース配信の費用を決める 3 つの内訳
まず、見積もりの金額は何でできているのかを教えてください。
大きく分けると、配信費、翻訳費、追加オプションの 3 つです。それぞれ何で金額が動くかを表にしました。
| 内訳 | 金額が動く要因 | 見積もりで聞くこと |
|---|---|---|
| 配信費 | 配信する国・地域、国単位か地域まとめか、原稿の長さ、作業料が別にあるか | 1 か国だけに出す場合の金額と、国を足した場合の金額 |
| 翻訳費 | 日本語から英語、英語から現地語のどこまでが含まれるか、言語の数、原稿の長さ | 日本語の原稿で入稿したときの総額 |
| 追加オプション | ワード数の超過、ファイルの添付、配信先の追加、キャンセル料 | 自社の原稿の長さと添付物で、どれが発生するか |
配信費に「原稿の長さ」が入っているのが意外です。国内の配信では、文字数で料金が変わる印象がありませんでした。
海外向けでは、英語の原稿のワード数で料金が決まる料金表があります。公表されている 2 社の料金表は、どちらも基本料金が「400 ワードまで」で、それを超えると 100 ワードごとに追加料金がかかる形です。日本語の原稿を英語にしたとき何ワードになるかで、金額が変わります。
具体的には、どのくらいの金額が載っているんですか?
2 社の料金表を並べるとこうなります。どちらも税別・税抜の表示で、2026 年時点の記載です。
| 項目 | 配信サービス A 社 | 配信サービス B 社 |
|---|---|---|
| 料金の単位 | 国別・地域別・テーマ別の配信回線ごと | 国・地域ごとのプラン。東南アジアの国は「アジア」プランに含まれる |
| 公表されている金額の例 | 作業料 60,000 円 + 配信料。アメリカ向けの回線は 400 ワード以内で合計 234,100 円 (東南アジア向けの回線の金額は公開ページに記載なし) | アジアプランの基本料金は 400 ワードまで 269,500 円から |
| ワード数の超過 | 100 ワードごとに追加 (アメリカ向けの回線は 53,700 円から) | アジアプランは 100 ワードごとに 69,000 円から |
| 翻訳 | 英語から現地語への翻訳は配信料金に含む。日本語から英語への翻訳は有料オプション | 英語から配信先の言語への翻訳は基本料金に含む。日本語から英語は 400 ワードまで 16,000 円のオプション |
| 掲載の扱い | 掲載を保証するものではない、と明記 | 掲載数の保証の記載はない。掲載調査の結果は内容を保証するものではない、と明記 |
A 社は東南アジアの金額が分からないんですね。
公開ページに出ている料金例はアメリカ、中国・香港・台湾、イギリス・フランス・ドイツの 3 つで、東南アジアの金額は載っていません。B 社のアジアプランは、インドネシア、タイ、ベトナム、インドなどをまとめた 1 つのプランです。東南アジアの 1 か国だけに出したい場合の金額は、料金表からは読み取れません。
なるほど。同じ「配信費」でも、買う単位がまるで違うんですね。
そうです。料金表の単位が「国」なのか「地域」なのか「回線」なのかを最初に見てください。ここが違うと、同じ 1 回の配信でも金額の意味が変わります。
内訳を見るときの考え方
- 合計額ではなく、配信費・翻訳費・追加オプションの 3 つに分けて見る
- 配信費は、料金の単位 (国 / 地域 / 回線) を先に確認する
- 原稿の長さで金額が変わる料金表では、英語にしたときのワード数を見込んでおく
- 料金は改定されることがある。B 社は毎年 1 月に価格を改定すると書いている
翻訳費のところが気になります。国によって、かかる国とかからない国があるんでしょうか?
国ごとの言語と翻訳費の見込み方
東南アジア 6 か国で、翻訳費はどう変わりますか?
翻訳費は、国の数ではなく言語の数で増えると考えると見込みやすいです。日本貿易振興機構 (JETRO) が公開している各国の公用語を並べました。右の列は公的な基準ではなく、このメディアでの見込み方の目安として見てください。
| 国 | 言語・公用語 (JETRO の記載) | 翻訳費の見込み方 (このメディアの目安) |
|---|---|---|
| インドネシア | インドネシア語 | 現地語で出すなら、インドネシア語の翻訳を 1 言語分 |
| ベトナム | ベトナム語、ほかに少数民族語 (公用語はベトナム語) | 現地語で出すなら、ベトナム語の翻訳を 1 言語分 |
| タイ | タイ語 | 現地語で出すなら、タイ語の翻訳を 1 言語分 |
| マレーシア | マレー語、英語、中国語、タミル語 (公用語はマレー語) | 英語で始めるなら、英語の翻訳を 1 言語分 |
| フィリピン | フィリピノ語、英語、セブアノ語など (公用語はフィリピノ語と英語) | 英語の翻訳を 1 言語分 |
| シンガポール | 公用語は英語、中国語 (北京語)、マレー語、タミル語 | 英語の翻訳を 1 言語分 |
フィリピンとシンガポールとマレーシアを英語で出すなら、英語の原稿 1 本を 3 か国で使えそうですね。
原稿としては使えます。ただ、翻訳料が「言語ごと」なのか「配信ごと」なのかは会社によって違うので、見積もりで確かめてください。国ごとに言語をどう決めるかは、東南アジア向けプレスリリースは何語で出す?6 か国の公用語と判断の順番で詳しく扱っています。
日本では日本語の原稿をそのまま配信するので、翻訳費という項目自体がありませんでした。
そこが国内との一番の違いです。A 社は、国内向けは 1 回あたりの料金を示している一方、海外向けは配信回線ごとに単価が違うと説明しています。海外向けはそこに翻訳とワード数が加わります。国内の感覚で「1 回いくら」と予算を置くと、翻訳と超過料金の分がずれやすいです。
翻訳が、日本語から英語、英語から現地語の 2 段階になる点も気を付けたいですね。
はい。公表されている 2 社は、英語から現地語への翻訳は配信料金に含み、日本語から英語への翻訳は別料金です。日本語の原稿しかない場合は、「日本語で入稿したときの総額」を聞くと、段階ごとの料金を足し忘れずに済みます。翻訳に出す前の原稿の整え方は、プレスリリース翻訳前の日本語原稿の直し方|東南アジア向けに先に直す 6 か所にまとめています。
内訳は分かってきました。では実際に見積もりを受け取ったとき、どの項目を確認すればいいですか?
見積もりで確認する 6 項目
見積もりを比べるときに、最初に見るのはどこですか?
その料金が「配信するところまで」なのか「掲載されるところまで」なのかです。配信は原稿をメディアに届けることで、記事にするかどうかは媒体が決めます。中小企業基盤整備機構 (中小機構) の J-Net21 でも、広報では企業が伝えたい内容がそのまま載るとは限らない、と説明されています。
配信したら載るもの、と思い込んでいました。
そう考える方は多いです。A 社は、掲載を保証するものではないとサービスの案内に書いています。B 社の料金表にも、掲載数を保証する記載はありません。掲載数の保証を条件に入れているサービスもあるので、見積もりでは保証の有無と、保証があるなら国ごとの数なのか全体の数なのかを聞いてください。配信したのに載らなかった場合の点検は、海外プレスリリースが掲載されない理由|東南アジアで点検する 3 つの原因で扱っています。
2 つ目は、国ごとの価格差ですね。
はい。国単位で値段が付く会社なら、国を 1 つ足すと幾ら増えるかを聞きます。地域まとめのプランなら、出したい国が対象に入っているかを見ます。作業料のように 1 回ごとにかかる料金があるかどうかも聞いておきます。
レポートは、どの会社にも付いているものだと思っていました。
付いていても、範囲が違うことがあります。B 社の料金表では、アジアプランの掲載調査は英語、フランス語、ドイツ語の Web メディアだけが報告の対象です。料金表の記載どおりなら、タイ語やベトナム語の媒体は報告の対象に入りません。レポートは「あるか」だけでなく、媒体名と URL が出るか、現地語の媒体が対象か、いつ届くかまで聞いてください。B 社の場合、届くのは配信から 10 営業日前後です。
社内に報告する立場としては、現地語の媒体が対象外だと困ります。
報告に使うなら、先に確かめておきたい点です。残りの 3 項目は、原稿の長さ、翻訳の範囲、金額の条件です。金額の条件には、税別か税込か、配信を中止したときのキャンセル料、料金改定の時期が入ります。
見積もりを比べるときに止まりやすい所
- 税別・税抜の金額と、税込の金額を同じ列に並べてしまう
- 日本語の原稿の文字数だけ伝えて、英語にしたときのワード数の超過料金が後から加わる
- 日本語から英語への翻訳が別料金だと気付かず、配信費だけで稟議を出す
- 年度をまたぐ予算で、料金改定後の金額を確認していない
見積もりを頼む段階で、こちらから条件を伝えておけば防げそうですね。
そのとおりです。依頼するときは次の順番で進めてください。
手順
配信する国と言語を決める。国は拠点や商談がある所から選び、言語は届けたい相手が読む言語にする
原稿の長さを決める。日本語の原稿を用意し、英語にしたときのおおよそのワード数を翻訳者か依頼先に見てもらう
同じ条件を各社に伝える。国、言語、原稿の長さ、添付する画像や資料の数、日本語で入稿することを書く
回答を 6 項目の表に写す。掲載の扱い、国ごとの価格差、レポート、原稿の長さ、翻訳の範囲、金額の条件の順に埋める
埋まらない欄を問い合わせる。空欄が残ったまま合計額だけで決めない
表に写すと、空欄がある会社はそこで分かりますね。
はい。空欄は、まだ分からない金額です。空欄を埋めてから合計額を比べてください。
稟議に書くときの並べ方
- 配信費・翻訳費・追加オプションを分けて書き、税別か税込かをそろえる
- 掲載の扱い (配信までか、掲載数の保証があるか) を金額の横に書く
- レポートで何が報告されるかを書き、成果の報告に使える範囲を示す
配信サービス同士の比べ方は分かりました。そもそも、配信サービスを使う以外の手段と比べると、費用はどう違うんでしょうか?
手段ごとの費用の違い
自社で直接送る方法や、PR 会社に頼む方法もありますよね。
手段は 3 つです。自社で媒体に直接送る、配信サービスを使う、PR 会社に委託する。費用の出方がそれぞれ違います。
| 手段 | 費用の出方 | 見積もりで確認すること |
|---|---|---|
| 自社で直接送る | 配信サービスへの支払いはない。翻訳と、送り先を調べて送る作業を自社で負担する | 翻訳を外に頼む場合の翻訳費。掲載は媒体の判断になる |
| 配信サービスを使う | 1 回の配信ごとに支払う。国・地域、原稿の長さ、翻訳で金額が変わる | この記事の 6 項目 |
| PR 会社に委託する | 月ごと、または案件ごとの契約。J-Net21 の業種別開業ガイドでは、国内の PR 代行業について、PR 戦略の設計やプレスリリース作成で月額 10 万〜20 万円が想定の価格帯として挙がっている | 契約期間、月額に含まれる作業、配信費が別かどうか |
PR 会社の月額 10 万〜20 万円というのは、海外向けでも同じですか?
いいえ、これは国内の PR 代行業を開業する人に向けた資料の想定額で、海外向けの相場ではありません。同じ資料に、内容や実施期間で単価が大きく変わるとも書かれています。配信サービスは 1 回ごと、PR 会社は月や案件ごとという、支払いの単位の違いを知るための目安として見てください。
見積もりを待たずに予算を決められる方法はありますか?稟議の締め切りが近くて、回答待ちの会社があると困ります。
料金を一律で公表している配信サービスなら、見積もりなしで金額が決まります。運営元の話になりますが、海外PR.jp は 1 か国・1 配信で 50,000 円 (税別) の一律料金で、国による価格差がなく、見積もりは不要です。初期費用は 0 円で、翻訳は英語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語の 4 言語に対応し、1 言語 20,000 円 (税別) です。
1 か国に 1 言語で出す場合は、幾らになりますか?
合わせて 70,000 円 (税別) です。複数の国に出す場合は、配信は国の数、翻訳は言語の数だけかかる仕組みなので、正確な金額は公式サイトで確認してください。時期によってキャンペーン価格の場合もあります。
先ほどの 6 項目に当てはめると、掲載の扱いとレポートはどうなりますか?
海外PR.jp では、対応する国のどこでも 10 媒体以上への掲載が保証されていて、掲載されたメディア名と URL の一覧がレポートで確認できます。レポートは配信から 5 営業日が目安です。掲載先は各国の総合ニュースサイト、ビジネス・経済系、業界専門メディアが中心で、どの媒体に載るかまでは決まっていません。
一律料金なら、稟議書の金額欄を先に埋められますね。
どの手段を選ぶ場合も、金額と一緒に「何が含まれるか」を書いておくと、あとから費用が増えたときに説明しやすくなります。最後に、確認する項目を表にしておきます。
見積もりの確認項目のまとめ
手元に置いておける一覧がほしいです。
6 項目と、見るところ、確認先を並べました。料金や各国の事情は変わるので、予算を組むときに各社の公式サイトと公的機関の最新の記載を確認してください。
| 確認項目 | 見るところ | 確認先 |
|---|---|---|
| 掲載の扱い | 配信までの料金か、掲載数の保証があるか | 各社の料金ページ。広報と広告の違いは J-Net21 https://j-net21.smrj.go.jp/qa/org/Q1139.html |
| 国ごとの価格差 | 料金の単位 (国 / 地域 / 回線)、国を足したときの増え方 | 各社の料金表、見積もり |
| レポートの有無 | 媒体名と URL、現地語の媒体が対象か、届く時期 | 各社のサービス説明、見積もり |
| 原稿の長さ | 基本料金に入るワード数、超過の単価 | 各社の料金表 |
| 翻訳の範囲 | 日本語からの翻訳が別料金か、言語を足したときの増え方 | 各社の料金表。各国の公用語は JETRO https://www.jetro.go.jp/world/asia/ |
| 金額の条件 | 税別か税込か、キャンセル料、料金改定の時期 | 各社の料金ページ、利用規約 |
これなら、3 社の見積もりを同じ表に並べ直せそうです。
並べ直して空欄が見つかったら、その欄を問い合わせるところから始めてください。費用や社内への報告に関する記事は費用・稟議・効果報告にまとめています。
よくある質問
海外プレスリリース配信の費用に、相場はありますか?
共通の相場は示しにくいです。料金の単位が国ごと、地域ごと、配信回線ごとと会社によって違い、原稿の長さや翻訳でも金額が変わります。配信費・翻訳費・追加オプションに分けて、同じ条件で比べてください。
翻訳費は配信費に含まれていますか?
会社によります。料金表を公表している 2 社の例では、英語から現地語への翻訳は配信料金に含まれ、日本語から英語への翻訳は別料金です。日本語の原稿で入稿したときの総額を聞くと確かめられます。
配信すれば、現地のメディアに掲載されますか?
配信しただけで掲載されるとは限りません。記事にするかどうかは媒体が決めます。掲載数の保証を条件にしているサービスもあるので、見積もりで保証の有無と数え方を確認してください。
参考にした公開情報
執筆・編集: 海外PR.jp 編集部 (VRI Creatives)。東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。
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