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海外展示会の出展告知を東南アジアの現地メディアに出す手順|会期前後の 3 回
公開 更新 約 7.2 千字
東南アジアの展示会に初めて出展することになりました。国内の展示会では、ブースを構えても人が立ち寄らず、名刺が数枚で終わった経験があります。海外で同じことになるのは避けたいのですが、出展する前にやっておけることはありますか?
あります。会期の前に、開催国のメディアと来てほしい相手に「出展します」と知らせておくことです。ブースに人が来るかどうかは、会場に着いてからの呼び込みよりも、会期前の準備で決まる部分が大きいです。
集客は主催者がやってくれるものだと思っていました。
そう考える担当者は多いです。主催者が集めるのは「会場に来る人」までで、その人が自社のブースまで来るかどうかは別の話になります。今日は、発信を会期の前・中・後の 3 回に分ける考え方と、1 回目の出展告知に何を書くか、配信日をどう決めるかを順に見ていきましょう。
海外の展示会でブースに人が来ない理由
まず、なぜブースに人が来ないのかを知りたいです。製品が悪いからでしょうか。
製品の良し悪しより前に、来場者が出展を知らないことが原因になっている場合があります。日本貿易振興機構 (JETRO) の手引きは、主催者は会場への来場者誘致をしてくれるが、会場まで来た人を自社ブースに呼ぶのは出展者自身だと説明しています。広報と来場者誘致は、主催者と出展者の共同作業という位置づけです。
会場に人が多くても、うちのブースを知らなければ素通りされるわけですね。
はい。主催者はポスターや会場配置図、招待用カードといった道具を用意してくれますが、それを使って知らせるのは出展者です。海外の見本市は会場が広いことが多く、回る先をあらかじめ決めて来る来場者もいます。中小企業基盤整備機構 (中小機構) の J-Net21 も、集客を主催者任せにせず、既存の顧客や見込み顧客を会場に招き、自社サイトに出展情報を載せ、展示会に合わせて新製品を発表する、という準備を挙げています。
日本の展示会でも同じことが言えそうですが、海外だと何が違うんですか?
違いは 3 つあります。案内を出す言語が日本語ではないこと、案内を送る先の媒体や取引先をまだ知らないこと、開催国の祝祭日に合わせて日程を組むことです。
準備する量が増えるんですね。何から決めればいいでしょうか。
会期前・会期中・会期後の 3 回に分けて発信する
発信を 3 回に分けるというのは、同じ内容を 3 回出すという意味ですか?
いいえ、3 回それぞれで読む人の状況が違うので、書く内容も変えます。会期前は来場の予定を立てている人、会期中は会場にいる人、会期後はブースで会った相手と、行けなかった人が読みます。
| 回 | 時期の目安 | 主に書くこと | 読む人 |
|---|---|---|---|
| 1 回目 出展の告知 | 会期の約 14 日前 | 展示会名、会期、会場、ブース番号、展示品、商談予約の方法 | 来場の予定を立てているバイヤー、現地の記者 |
| 2 回目 会期中の発表 | 会期の初日 | 会場で初めて見せる製品、実演の内容、ブース番号 | 会場にいる来場者と記者 |
| 3 回目 出展の報告 | 帰国後 1 週間以内 | 展示した内容、会期後の問い合わせ先 | ブースで会った相手、来場できなかった見込み客 |
1 回目の「約 14 日前」には根拠があるんですか?
JETRO の手引きが、案内状を送る時期を開催前の約 14 日程度としています。プレスリリースについては「事前に送付する」とあるだけで、日数は決まっていません。そこで、案内状と同じ時期を目安に置いています。
なるほど。2 回目は新製品がないと出せませんか?
先に時期の話をしておくと、2 回目を会期の初日に置くのは、この記事での提案です。公的な資料に、会期中の発表を何日目に出すかの目安はありません。初日に出しておけば、読んだ人が会場に寄れる日数がいちばん多く残ります。新製品については、なければ無理に出さなくて構いません。その国で初めて見せる製品や、会場での実演があるなら題材になります。
3 回目は、終わった展示会の話を出す意味があるのでしょうか。
会期後の商談につなげたいなら、3 回目が役に立ちます。ブースで名刺を交換した相手が社内で報告するときや、後日あらためて社名を検索したときに、開催国の言葉で書かれた記事や自社サイトの出展報告が見つかるからです。J-Net21 も、自社サイトへの出展報告の掲載を忘れないように、と書いています。なお、帰国後 1 週間以内は、JETRO の手引きが礼状と回答について挙げている目安で、出展報告の時期として決まっているものではありません。この記事では、礼状と同じ時期に合わせています。
3 回の発信で変えること・変えないこと
- 変えないのは、社名の表記、製品名の表記、問い合わせ先。3 回とも同じ書き方にする
- 1 回目はブース番号と商談予約の方法を、2 回目は会場で見られるものを、3 回目は会期後の連絡先を中心に書く
- 予算が限られるなら 1 回目を優先する。会期前に知らせる機会は 1 度しかない
優先するのは 1 回目ですね。では、その出展告知に何を書くかを教えてください。
出展告知に入れる情報とブース番号の書き方
出展告知というと「○○展に出展します」の一文で終わってしまいそうです。ほかに何を書けばいいですか?
読んだ人がそのままブースに来られるだけの情報を入れます。JETRO の手引きが、案内状とプレスリリースに書く項目を挙げているので、それを表にしました。
| 項目 | 書く内容 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 展示会 | 展示会名、会期、会場名 | 主催者の公式サイトにある表記にそろえる |
| 場所 | ホール番号、ブース番号 | 主催者の公式カタログや公式サイトの掲載と一致させる |
| 展示品 | 特徴や機能、技術面の特性、新しい点、業界での位置づけ | 記者が記事にしやすいよう、簡潔に書く |
| 連絡先 | 企業名、担当者名、連絡先 | 会期中に連絡がつく担当者にする |
| 添えるもの | 出品物のカタログ、写真 | 開催国で使う製品名の表記と合わせる |
ブース番号は、主催者の掲載と見比べるんですね。
はい。番号のない告知や、番号が違う告知は、読んだ人が会場で探せません。主催者の公式カタログや公式サイトに自社の情報が載ったら、番号と社名の表記を見比べてから発信してください。
商談予約の方法は、JETRO の項目には入っていないようですが。
手引きの項目にはありませんが、会期後の商談につなげたいなら入れておきたい情報です。主催者が商談相手の紹介やアポイントの斡旋をするプログラムを用意している展示会があり、JETRO の手引きもその活用を勧めています。主催者の商談プログラムがあるならその申し込み方法を、なければ担当者の名前とメールアドレスを書きます。
出展告知を出す前に確かめること
- ブース番号とホール番号が、主催者の公式サイトの掲載と一致しているか
- 展示会名を略さず、主催者が使っている正式な名称で書いているか
- 会期と会場名を、開催国の日付の書き方に合わせているか
- 商談予約の連絡先が、会期中も返信できる担当者になっているか
書く項目は分かりました。これを何語で書くかが次に気になります。
開催国の言語で告知を用意する
展示会の会場では英語で商談するつもりです。告知も英語だけでいいでしょうか。
開催国によります。会場で英語が通じることと、その国の人が普段読むニュースが英語であることは別です。JETRO の手引きは、商品カタログと企業紹介パンフレットを「英語または開催国の言語」で作るよう勧めていますし、J-Net21 はアジアの展示会では現地語の通訳が必要になると書いています。
| 開催国 | 言語 (JETRO の記載) | 告知を出す言語の目安 |
|---|---|---|
| インドネシア | インドネシア語 | インドネシア語 |
| ベトナム | ベトナム語、ほかに少数民族語 (公用語はベトナム語) | ベトナム語 |
| タイ | タイ語 | タイ語 |
| マレーシア | マレー語、英語、中国語、タミル語 (公用語はマレー語) | 英語から始める |
| フィリピン | フィリピノ語、英語、セブアノ語など (公用語はフィリピノ語と英語) | 英語 |
| シンガポール | 公用語は英語、中国語 (北京語)、マレー語、タミル語 | 英語 |
インドネシア、ベトナム、タイは現地語が目安なんですね。
はい。この 3 か国は、JETRO の言語の欄に英語が挙がっていません。地元のバイヤーや記者に読んでもらいたいなら、現地語の告知を用意するのが基本になります。周辺国からもバイヤーが来る展示会なら、英語版も自社サイトに置いておきます。
展示会名やブース番号は、翻訳するとずれそうで心配です。
そこは翻訳しない、と決めておくと安全です。展示会の正式名称、ホール番号、ブース番号、社名、製品の型番は、主催者や自社が使っている表記のまま残します。言語の決め方そのものは、東南アジア向けプレスリリースは何語で出す?6 か国の公用語と判断の順番で詳しく扱っています。
言語が決まれば、翻訳にかかる日数も読めますね。配信日はどう決めればいいですか?
配信日を会期から逆算して決める
会期の約 14 日前に出すとして、そこから逆に何をいつまでに済ませればいいのか、順番を教えてください。
配信日を先に決めて、そこから原稿、翻訳、社内確認の締め切りを逆に置いていきます。JETRO の手引きは、広報の内容を固めて制作する時期を、出展スペースの確定から会期の 1 か月前までとしています。会期の 1 か月前に原稿が固まっていれば、約 14 日前の配信に間に合う計算です。
手順
主催者の出展者マニュアルで、会期、会場、ブース番号の確定時期、報道向けの窓口を確認する
1 回目の配信日を会期の約 14 日前に仮に置き、開催国の祝祭日や連休と重なっていないかを確かめる
会期の 1 か月前までに、日本語の原稿を固める。展示品の説明は、開催国で発表する理由が分かるように書く
開催国の言語に翻訳し、展示会名、ブース番号、社名、型番が原文のままになっているかを見る
配信日を確定し、同じ日に自社サイトの出展情報と、取引先への案内状を出す
2 回目 (会期の初日) と 3 回目 (帰国後 1 週間以内) の配信日も、同じ時点で決めておく
2 回目と 3 回目の日まで、先に決めておくんですか?
はい。会期中は接客と商談で手が回らず、帰国後は名刺の整理と見積もりの回答に追われます。会期中と帰国後に原稿を書く時間は取れない、と考えて準備するほうが現実的です。3 回目の原稿も、問い合わせ先までは出発前に書いておけます。
帰国後 1 週間以内というのは、少し急ぎすぎではありませんか?
JETRO の手引きは、会場で商談した相手への礼状と、その場で答えられなかった質問への回答を、帰国後 1 週間以内に送るよう勧めています。J-Net21 も、展示会の終了から 1 か月たってからのフォローでは遅すぎる、と書いています。出展の報告を同じ時期に出しておくと、礼状のメールにその記事や自社サイトのページを添えられます。
祝祭日と重なった場合はどうすればいいですか?
連休の直前と連休中を避けて、前に動かします。祝祭日は国によっても年によっても違うので、会期が決まった時点で開催国の暦を確認してください。インドネシアの例は、インドネシアのレバランとプレスリリース配信日の決め方|連休の前後と逆算にまとめています。
逆算するときの目安
- スペースの確定から会期の 1 か月前までに、広報の内容を固める
- 会期の約 14 日前に、案内状と 1 回目の出展告知を出す
- 帰国後 1 週間以内に、礼状と回答を送る。3 回目の出展報告も同じ時期に合わせる (この記事の提案)
- 約 14 日前、1 か月前、1 週間以内 (礼状と回答) は、JETRO の手引きにある海外見本市全般の目安
- 2 回目を会期の初日に、3 回目を帰国後 1 週間以内に出すのは、この記事の提案。主催者の日程と開催国の祝祭日を優先する
日程の組み方は分かりました。実際に開催国のメディアへ届ける手段には、どんなものがありますか?
現地メディアに届ける手段を比べる
原稿ができても、開催国の新聞社や専門誌の連絡先を 1 つも知りません。
初出展ならそれが普通です。手段は 3 つあります。自社で直接送る、配信サービスを使う、現地の PR 会社に委託する、です。JETRO の手引きは、自社で送る場合の送付先を主催者などに紹介してもらう方法を挙げています。
| 手段 | 送り先の用意 | 配信日の管理 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| 自社で直接送る | 主催者に紹介してもらう、または自社で調べる | 自社で送信する | 開催国に拠点や代理店があり、現地語で対応できる |
| 配信サービスを使う | サービスが持っている媒体に届く | 予約ができるサービスなら事前に設定する | 開催国に拠点がなく、会期に合わせて出したい |
| PR 会社に委託する | 委託先が選ぶ | 委託先と相談して決める | 会場での取材対応まで任せたい |
うちは開催国に拠点がないので、配信サービスが近そうです。会期に合わせて日を指定できるものはありますか?
たとえば海外PR.jp には配信予約の機能があります。会期から逆算した配信日を先に決めて予約しておけば、出張の準備や会期中の接客と重なっても、発信が抜けにくくなります。東南アジア 6 か国に対応していて、翻訳オプションは英語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語の 4 言語です。
費用はどのくらいでしょうか。
配信が 1 か国 1 配信で 50,000 円 (税別)、翻訳が 1 言語 20,000 円 (税別) です。1 か国に 1 言語で出すなら、合わせて 70,000 円 (税別) になります。どの国でも 10 媒体以上への掲載が保証されていて、掲載された媒体名と URL の一覧は配信から 5 営業日を目安に確認できます。3 回出す場合は配信の回数分の費用がかかるので、正確な金額は公式サイトで確認してください。時期によってキャンペーン価格の場合もあります。
掲載された記事の URL は、何に使えますか?
会期中ならブースで見せる資料に、会期後なら礼状のメールに添えられます。記事が出れば商談が決まる、というものではありません。どの手段を選ぶ場合も、先に決めるのは「誰にブースへ来てほしいか」と「その人は何語で読むか」です。
手段は最後に選べばいいんですね。社内で共有したいので、今日の内容を一覧にしてもらえますか。
時期ごとのまとめと確認先
時期ごとに、やることと確認先を並べてください。
次の表にまとめました。約 14 日前、1 か月前、礼状と回答の 1 週間以内は、JETRO の手引きにある海外見本市全般の目安です。2 回目と 3 回目の配信日は、この記事の提案です。展示会ごとの日程や各国の事情は変わります。計画を立てるときは、主催者の出展者マニュアルと公的機関の最新の情報を確認してください。
| 時期 | やること | 確認先 |
|---|---|---|
| 出展が決まったら | 開催国の言語を確認し、告知を出す言語を決める | https://www.jetro.go.jp/world/asia/ |
| 会期の 1 か月前まで | 原稿を固め、3 回分の配信日を決める | https://www.jetro.go.jp/ext_images/j-messe/column/pdf/exhibition_point.pdf |
| 会期の約 14 日前 | 1 回目の出展告知、案内状、自社サイトへの掲載 | 主催者の出展者マニュアル |
| 会期の初日 | 2 回目の発表 (新しく見せるものがある場合) | 主催者の報道向け窓口 |
| 帰国後 1 週間以内 | 礼状と回答を送る (JETRO の目安)。3 回目の出展報告も同じ時期に合わせる (この記事の提案) | https://www.jetro.go.jp/ext_images/j-messe/column/pdf/exhibition_point.pdf |
ありがとうございます。関連する記事があれば教えてください。
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よくある質問
いくつか細かい質問をさせてください。ブース番号がまだ決まっていない段階で、出展告知を出してもいいですか?
番号が決まってから出すほうが安全です。先に出すなら、自社サイトに出展の予定だけを載せ、番号が決まった時点でメディア向けの告知を出す、と分ける方法があります。
出展告知は、展示会の何日前に出せばいいですか?
決まった日数はありません。JETRO の手引きが案内状の発送を開催前の約 14 日程度としているので、それを目安にし、開催国の祝祭日と重なる場合は前に動かしてください。
JETRO のジャパン・パビリオンで出展する場合も、自社の告知は要りますか?
パビリオン全体の広報と来場者誘致は JETRO が行います。そのうえで、自社の展示品とブースの位置を知らせる告知を出すかどうかは、来てほしい相手がはっきりしているかで決めてください。
参考にした公開情報
執筆・編集: 海外PR.jp 編集部 (VRI Creatives)。東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。
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