ASEAN PR トーク

フィリピン販路・パートナー開拓

フィリピン企業との提携を現地で発表する方法|共同発表で先に決める 5 項目

公開 更新 約 5.6 千字

田中海外事業担当
竹内東南アジア向けPR担当
田中田中
フィリピンの企業と業務提携することが決まりました。先方から「現地でも一緒に発表しましょう」と言われたのですが、共同発表をやったことがなく、何から手を付けるのか分かりません。
竹内竹内
提携の話が進んだ段階で、先方から共同発表を提案されるのはよくある流れです。ただ、共同発表は自社だけで出すリリースと違い、相手の承認を取る工程が入ります。そのため、文面よりも段取りで詰まることが多いです。
田中田中
文面は英語で作ればいいと思っていました。
竹内竹内
言語は英語で足りる場合が多いですが、それは後半で短く触れます。今日は、文面で何を相手と合わせるか、発表日をどうそろえるか、日本側の開示とどちらを先にするか、の順に進めます。

共同発表で、先に相手と決めておくこと

共同発表の段取りと、相手の承認が入る場所
共同発表の段取りと、相手の承認が入る場所
田中田中
自社のリリースなら、社内の承認だけ取って出せます。共同発表だと、何が増えるんですか?
竹内竹内
増えるのは、相手企業の確認です。文面の中に相手の社名、事業の説明、コメントが入るので、相手の担当者と広報の承認が取れる前に出すのは避けたほうがよいです。承認が遅れると、発表日そのものが動きます。
田中田中
事前に決めておく項目は多いですか?
竹内竹内
最初に合意しておくと後が楽になる項目は、次の 5 つです。
決めること具体的な中身決めないと起きること
発表日日本側とフィリピン側で同じ日にするか片方だけ先に出て、もう片方が追いかける形になる
社名の順序見出しと本文でどちらを先に書くか相手の確認で差し戻され、文面が何度も往復する
引用コメント誰がコメントを出すか、肩書きと表記承認待ちでコメントだけが遅れる
提携の説明範囲、期間、金額に触れるか公表したくない内容が入ってしまう
承認の担当者各社で誰が最終確認するか誰に確認すればよいか分からず止まる
田中田中
金額や期間は書かない場合もあるんですね。
竹内竹内
契約上の秘密保持の対象になっている場合があります。提携の範囲や金額に触れるかどうかは、契約書の内容を踏まえて両社で決めるのが前提です。ここは法務の担当者にも見てもらってください。次に、社名の順序と引用コメントの具体的な決め方を見ていきます。

社名の順序と引用コメントの調整

田中田中
社名はどちらを先に書くべきでしょうか。相手が先だと、日本側の上司が気にしそうです。
竹内竹内
決まった型はないようです。自社だけの発表は自社を先に、共同発表は事前に並べ方を合意しておくという進め方が現実的です。五十音順やアルファベット順のような、どちらにも偏らない基準を使う方法もあります。
田中田中
基準を先に決めておけば、揉めにくいということですね。
竹内竹内
はい。もう 1 つ決めておきたいのが、日本語版と英語版で並びをそろえるかどうかです。日本側は日本語、フィリピン側は英語で出すと、同じ提携なのに社名の順序が逆になることがあります。そうなった場合でも、双方が理由を説明できる状態にしておくと安心です。
田中田中
引用コメントはどう扱えばいいですか。
竹内竹内
引用コメントは、代表者や担当役員の発言として載せるものです。誰のコメントを載せるか、肩書きをどう書くか、本人が内容を確認したか、の 3 点を決めます。先方のコメントは、先方に英語で書いてもらうほうが、意図とずれにくいです。
引用コメントの調整で確認すること
  • 発言者の氏名と肩書きを、相手の希望する表記で書く
  • 自社のコメントは日本語で作り、英語にしたものを発言者本人が確認する
  • 相手のコメントは、先方が書いた英語をそのまま使い、こちらで直さない
  • 双方のコメントの長さをそろえ、片方だけ目立たないようにする
田中田中
相手のコメントを、こちらで直さないのはなぜですか。
竹内竹内
発言は本人のものなので、手を入れると意味が変わる場合があるからです。表記の誤りに気づいたときは、直さずに相手へ確認として戻します。ここまでで文面の材料がそろったので、次は日付の合わせ方です。

発表日と配信日をそろえる

田中田中
日本側と同じ日に発表したいと言われています。同じ日というのは、どこまで合わせるのでしょう。
竹内竹内
日付だけでなく、時刻もできるだけ合わせて、両社の発表を同じ時間帯に出すのが理想です。片方が先に出ると、先に出たほうの記事を見て、もう片方の関係者が「聞いていない」と感じることがあるからです。
田中田中
日本とフィリピンの間で、時差はありますか。
竹内竹内
時差は、ここでは数字を出さないでおきます。配信の時刻を決める前に、日本時間とマニラ時間のどちらで指定するかを、両社で確認してください。
田中田中
手順としては、どう進めればいいですか。
竹内竹内
発表日を決めるところから、配信までの流れは次のとおりです。
手順

提携の合意内容のうち、公表してよい範囲を契約書で確認する

発表日の候補を 2〜3 日出し、相手の広報担当と日付を決める

社名の順序、引用コメントの方針を決めたうえで、日本語で文面案を作る

英語版を作り、相手に送って承認を依頼する。コメントは相手が作ったものを受け取る

日本側の開示担当に確認し、自社の公表の時刻を決める

決まった日時に合わせて、日本とフィリピンの両方で発表する

発表日をそろえるときの考え方
  • 日付だけでなく、配信の時間帯も両社で合わせる
  • 日本時間とマニラ時間のどちらで指定するかを、最初に言葉にして確認する
  • 配信と、媒体が記事を出す時刻は別のものとして考える
  • 承認が遅れた場合に備えて、発表日の候補は複数出しておく
田中田中
5 番目の開示担当への確認は、どういうことですか。
竹内竹内
日本側の開示との前後関係の話です。次の章で、確認できる範囲を整理します。

日本側の開示との前後関係

田中田中
うちは上場企業なので、そこが一番気になっています。提携の発表は、プレスリリースで済むのでしょうか。
竹内竹内
ここは私が断定できる部分ではありません。日本取引所グループ (JPX) は、適時開示制度を、金融商品取引所の規則により重要な会社情報を上場会社から投資者に提供するための制度としています。公式ページでは、報道機関等を通じてあるいは直接に、広く、かつ、タイムリーに伝達するという特徴が説明されています。
田中田中
提携は、その対象になるんですか。
竹内竹内
日本取引所グループ (JPX) の案内では、上場会社が業務上の提携を決めて、その内容が一定の基準に当てはまる場合は、すぐに開示することが義務づけられています。基準に当てはまるかどうかは、提携の中身や自社の規模によって変わるので、該当するかどうかは社内の開示担当に確認するのが出発点になります。
田中田中
つまり、現地の発表日を先に決めてしまうと、調整が難しくなる場合があるということですね。
竹内竹内
上場企業の場合は、日本側の開示が発表日に関わる場合があるので、発表日を決める前に開示担当に確認してください。現地向けの発表の日時を相手に約束してから、日本側の開示のタイミングが合わないと分かると、調整のやり直しになります。この記事では法的な判断はしませんので、個別の事情は社内の担当者や専門家に確認してください。
上場企業が発表日を決めるときの注意
  • 発表日を相手に伝える前に、自社の開示担当に確認する
  • 日本側の開示の時刻が決まってから、現地向けの配信時刻を決める
  • 相手企業にも、自社側で必要な確認があるかを尋ねる
  • 提携の内容や金額が開示の対象か、社内の判断を待ってから文面に書く
田中田中
相手企業にも、同じような確認が必要なんでしょうか。
竹内竹内
フィリピン側の制度は、私もはっきりしたことが言えないので、ここでは触れません。ただ、相手にも発表の前に確認が必要な場合があると考えて、「発表日の候補を出すので、貴社の内部手続きで問題がないか見てください」と伝えておくと、後から日程が動くことを防げます。次は、英語で出す理由を短く確認します。

フィリピンには英語で出す

田中田中
文面は英語で出すと言いましたが、フィリピンは英語でよいのでしょうか。
竹内竹内
フィリピンの公用語はフィリピノ語と英語です。公用語に英語が入っているため、共同発表の文面は英語で作ります。言語ごとの判断は東南アジア向けプレスリリースは何語で出す?6 か国の公用語と判断の順番にまとめています。
田中田中
英語版の直し方は、別に考える必要がありますか。
竹内竹内
日本語の主語を補う、社内用語を一般的な言葉に直す、といった直しがあります。ここでは省きます。共同発表で特に気をつけたいのは、相手の社名、商品名、人名の表記です。相手が自社の英語表記をどう書いているかを、先方の公式サイトで確認して合わせてください。

発表の手段を比べる

田中田中
英語版ができたとして、現地にはどうやって出せばいいですか。
竹内竹内
手段は大きく 3 つに分けられます。自社で現地の媒体に直接送る、配信サービスを使う、現地の PR 会社に委託する、です。共同発表では、相手企業に任せる選択肢も加わります。比べるとこうなります。
手段日時を日本側に合わせやすいか向いている場合
自社で直接送る自社で送信するため合わせやすい現地の記者の連絡先を持っている
配信サービスを使う予約機能があれば合わせやすい現地に広報担当がおらず、日付を決めて出したい
PR 会社に委託する委託先との調整が要る発表後の取材対応まで任せたい
相手企業に任せる相手の都合に左右される相手が現地で広報を持っている
田中田中
うちは現地に広報担当がいないので、配信サービスが候補です。条件を教えてもらえますか。
竹内竹内
たとえば海外PR.jp は、フィリピンを含む 7 か国に対応していて、配信予約機能があり、配信日を先に決めておけます。時刻まで指定できるかは公式サイトで確認してください。料金は 1 か国 1 配信で 50,000 円 (税別) です。日本語の原稿しかない場合は、英語への翻訳オプションが 1 言語 20,000 円 (税別) で、1 か国に英語で出すなら合わせて 70,000 円 (税別) になります。
田中田中
掲載はどうなりますか。
竹内竹内
どの国でも 10 媒体以上への掲載が保証されていて、掲載された媒体名と URL の一覧がレポートで届きます。レポートは配信から 5 営業日が目安です。時期によってキャンペーン価格の場合があるので、最新の料金は公式サイトで確認してください。なお、配信日を先に決めておけても、媒体が記事を出す時刻は媒体側で決まる場合があるため、「配信した時刻」と「記事が出る時刻」は分けて考えるほうが安全です。
田中田中
掲載の URL がレポートで分かるなら、提携先との共有にも使えますね。
竹内竹内
共同発表のあとに、提携先へ「現地ではこの媒体に出ました」と伝える材料にはなります。ただし、掲載が提携の成果にどうつながるかは約束できないので、報告では事実の一覧として扱ってください。最後に、今日の内容を表にまとめます。

共同発表の進め方のまとめ

共同発表で先に合意しておく 5 項目
共同発表で先に合意しておく 5 項目
田中田中
社内で共有したいので、確認する項目と相手を一覧にしてもらえますか。
竹内竹内
場面ごとに、誰と何を決めるかを表にしました。法的な判断や各国の制度は変わるので、個別の事情は社内の担当者と公式の情報で確認してください。
場面決めること相談する相手確認先
発表の前公表してよい範囲法務の担当者契約書
日付を決める前日本側の開示の要否と時刻自社の開示担当JPX 適時開示制度の概要
文面を作るとき社名の順序、引用コメント提携先の広報担当事前に合意した基準
英語版を作るとき社名・人名の表記提携先先方の公式サイト
配信するとき日時、配信手段両社の広報担当配信手段の公式サイト
田中田中
公式の情報はどこで見られますか。
竹内竹内
フィリピンの言語は JETRO、日本側の開示は JPX のページで確認できます。URL は次のとおりです。
内容公式情報
フィリピンの言語 (JETRO)https://www.jetro.go.jp/world/asia/ph/basic_01.html
適時開示制度の概要 (JPX)https://www.jpx.co.jp/equities/listing/disclosure/overview/
業務上の提携の開示 (JPX)https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge6788.html
田中田中
関連する記事は、どこから探せますか。
竹内竹内
提携先や代理店の開拓に関する話は販路・パートナー開拓に、国ごとの話はフィリピンにまとめています。

よくある質問

田中田中
いくつか細かい質問をさせてください。共同発表は、どちらの会社が主導して出すのでしょうか。
竹内竹内
決まった型はないようです。文面の作成は片方が担当し、もう片方が承認するという進め方があります。誰が作るかを、発表日の候補と一緒に最初に決めておくと進みます。
田中田中
相手の承認が遅れた場合は、どうすればいいですか。
竹内竹内
発表日を動かすことになります。上場企業の場合は、日付の変更が日本側の開示の時刻に影響しないかを、先に開示担当へ確認してください。
田中田中
日本語版は現地に出す必要がありますか。
竹内竹内
フィリピンでは英語が公用語に入っているので、現地向けは英語版で足ります。日本語版は日本側の発表と自社サイトに使います。
田中田中
社名の順序は、日本語版と英語版で変えてもよいですか。
竹内竹内
変えてはいけないという決まりはないようです。ただ、理由を相手に説明できる状態にし、事前に合意しておくと安心です。

執筆・編集: 海外PR.jp 編集部 (VRI Creatives)。東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。

本記事は各国の公的機関などの公開情報をもとに作成しています。各国のメディア事情・制度・祝祭日は変わることがあるため、 実施の前に最新の情報を確認してください。

海外PR.jp

東南アジア向けのPRを相談する

どの国に、何語で、いつ出すか。配信できる媒体や、自社に合った配信国の選び方から相談できます。相談もアカウント開設も無料です。

東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。 サービスの詳細