タイの代理店探しで社名を検索されたときの備え|タイ語で出す情報と時期
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タイで販売代理店を探しています。展示会で名刺交換した会社が何社かあって、メールでやり取りを始めたんですが、2 社ほど返事が途中で止まってしまいました。製品の説明はきちんと送ったつもりなんですが、何が足りなかったんでしょうか?
製品の説明が足りなかったとは限りません。タイの会社が初めて取引する相手を検討するとき、まず社名を検索して会社の様子を確かめます。そのときにタイ語でも英語でも会社の情報や報道が出てこないと、信用の確認で話が止まりやすいんです。
検索ですか。日本語のサイトなら、会社概要も製品ページもそろっているんですが。
日本語のサイトは、タイの担当者にはほとんど読めません。今日は、タイの代理店候補が何を見て日本企業を調べるのか、渡す資料に何を入れるのか、タイ語で何をいつ発表するのか、の 3 つを順に確かめていきます。
タイの代理店候補は、日本企業の何を調べるのか
相手の会社は、具体的にどこを見るんですか?
大きく分けて 4 つあります。登記の情報、タイ語で検索して出てくるもの、英語で検索して出てくるもの、それと SNS です。
登記の情報というのは、日本でいう登記簿のようなものですか。
近いです。タイ商務省の事業開発局 (DBD) が「DBD DataWarehouse+」というサイトで、タイで登記された法人の情報や財務諸表を公開しています。DBD 自身も、法人が本当に存在するかを確かめる手がかりのひとつとして使ってほしいと書いています。
うちはタイに法人がありません。その場合は?
タイで登記していない日本の本社は、DBD の検索には出てこないと考えられます。タイに法人がある会社なら、登記の社名と、発表や資料に書く社名の表記をそろえておくと、相手が照合しやすくなります。法人がない会社は、その分ニュース記事や自社サイトで確認してもらうしかありません。
なるほど。それで検索になるわけですね。
はい。担当者は社名や製品名をタイ語で検索することが多いと考えられます。新聞はマティチョン (Matichon) やサヤームラット (Sayāmrat) がタイ語で、代表的な英字紙はバンコク・ポスト (Bangkok Post) です。
SNS も見られるんですか?
ロイター研究所の 2026 年の調査では、タイでニュースの入手にソーシャルメディアを使う人は 78% で、ニュースに Facebook を使う人は 69%、TikTok は 55% です。ニュースサイトに載った記事が SNS で共有されて目に入る、という流れもあります。
| 相手が見るもの | 何が分かるか | 日本企業が用意できること | 出典 |
|---|---|---|---|
| DBD DataWarehouse+ (登記の情報) | タイで登記された法人の情報、財務諸表 | タイ法人があれば、登記と同じ社名表記で発表する | タイ商務省事業開発局 |
| タイ語の検索 | タイ語のニュース記事、会社のタイ語ページ | タイ語の発表を出す。タイ語の会社案内ページを置く | 国立国会図書館 リサーチ・ナビ (タイ語紙の例) |
| 英語の検索 | 英字紙・業界媒体の記事、英語の会社情報 | 英語の会社案内ページ。英語の発表 | 同上 (英字紙の例) |
| SNS | 共有された記事、企業ページ | 掲載記事を自社の SNS で共有する | Reuters Institute Digital News Report 2026 (Thailand) |
検索して何も出てこないとき、相手の側で起きること
- 社内で上司に説明するとき、見せられる材料がない
- 実在する会社か、タイで売る準備があるかを確かめられない
- 返事を保留したまま、ほかの候補との話が先に進む場合がある
返事が止まった理由が少し見えてきました。
相手が慎重なだけで、田中さんの側の落ち度というわけではありません。相手が確かめたいことに答える材料を、タイ語で先に置いておくのが今日の話の中心です。次は、その材料を代理店候補に渡す資料に落とし込みましょう。
代理店候補に渡す資料に入れる項目
資料というと、会社案内と製品カタログの英語版は持っています。それで足りませんか?
英語版があるのは大事な出発点です。ただ、代理店候補が知りたいのは「この会社と組んで、タイで売れるか」なので、製品の性能だけでなく、タイでの体制や実績を書いた方が判断しやすくなります。
具体的には、どんな項目ですか?
次の表の項目が目安です。全部そろっていなくても構いませんが、空欄の理由は聞かれると考えておいてください。
| 項目 | 書くこと | 相手が確かめたいこと |
|---|---|---|
| 会社の基本情報 | 社名 (タイ語・英語・日本語の表記)、所在地、設立年、従業員数、主な取引先の業種 | 実在する会社か、規模はどのくらいか |
| タイでの体制 | タイ法人・駐在員事務所の有無、問い合わせ窓口、対応できる言語 | 困ったときに誰に連絡すればいいか |
| 製品と販売条件 | 製品の概要、タイで売るのに必要な認証や登録の状況、納期 | すぐに扱える製品か |
| 代理店に求める役割 | 担当してほしい地域・業種、独占か非独占かの考え方 | 自社の得意分野と合うか |
| 第三者の情報 | タイ語・英語のニュース記事の URL、展示会の出展実績 | 自社以外の情報源で確かめられるか |
最後の「第三者の情報」が、うちには何もないですね。
そこが一番困るところです。会社案内は自社が書いたものなので、どうしても「自分で言っていること」になります。ニュース記事は自社以外の媒体に載った情報なので、相手が社内で説明するときに使いやすいんです。
社名のタイ語表記というのも、気にしたことがありませんでした。
日本の社名をタイ文字で書くと、音の写し方で何通りにもなります。タイ語表記を 1 つに決めて、資料・発表・サイトのすべてで同じ表記を使うと、相手が検索したときに同じ会社の情報だと分かります。タイ法人がある会社は、登記の表記に合わせるのが確実です。
資料を作るときに止まりやすいところ
- 社名のタイ語表記が資料ごとに違い、検索で別の会社に見える
- 日本向けのカタログを機械翻訳しただけで、タイでの販売条件が書かれていない
- 認証や登録が済んでいないのに「販売中」と書いてしまう
- 王室・宗教に関わる表現や画像を、タイ語を読める人の確認なしに使う
認証の話は、確認してから書くようにします。では、第三者の情報をつくるには、何を発表すればいいんでしょうか。
タイ語で発表する題材の選び方と時期
発表といっても、うちはタイで大きなニュースがあるわけではないんです。
大きなニュースである必要はありません。代理店探しの段階で使いやすい題材は、タイ市場への参入、現地企業との提携、タイ向けの新製品の 3 つです。どれも代理店候補が知りたいことに直接つながります。
| 題材 | 発表に書くこと | 出す時期の目安 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| タイ市場への参入・販売開始 | 何を、いつから、どの業種向けに売るか。問い合わせ窓口 | 展示会や訪問の 3〜4 週間前 | 認証・登録が必要な製品は、済んでいることを先に確かめる |
| 現地企業との提携 | 相手の社名、提携の内容、開始時期 | 契約が決まってから、相手と日程を合わせて | 相手の同意を書面で取り、発表文も相手に確認してもらう |
| タイ向けの新製品・仕様 | タイの気候や使い方に合わせて変えた点 | 発売日の 2〜3 週間前 | 日本向けの説明をそのまま訳さない |
提携の発表は、代理店が決まった後の話ですよね。
そうです。代理店を探している段階なら、参入や新製品の発表が中心になります。代理店が決まったら、その提携を相手と一緒に発表すると、今度は相手の会社の信用にもつながります。
時期はどう決めればいいですか?
代理店候補と会う日から逆算します。配信してから記事が出そろい、その URL を資料に入れるまでに時間がかかるので、訪問や展示会の 3〜4 週間前に配信しておくと余裕があります。もうひとつ、タイの祝日や連休に配信日を重ねないことです。
タイの連休というと、ソンクラーンですか。
はい。タイ中央銀行の告示だと、2027 年 4 月 13 日から 15 日はソンクラーンで金融機関の休日です。その少し前の 2027 年 4 月 6 日もチャクリー王朝記念日で休日なので、2027 年 4 月の上旬から中旬は配信を避けるのが無難です。
2027 年に配信を避けたいタイの休日 (タイ中央銀行が告示した金融機関の休日から抜粋)
- 2027 年 1 月 1 日 (新年)
- 2027 年 4 月 6 日 (チャクリー王朝記念日)、4 月 13〜15 日 (ソンクラーン)
- 2027 年 5 月 3 日 (メーデーの振替)、5 月 4 日 (戴冠記念日)、5 月 20 日 (ヴィサカブーチャ)
- 2027 年 7 月 19 日 (アーサーンハブーチャの振替)、7 月 28 日 (国王誕生日)
- 2027 年 12 月 6 日 (ラーマ 9 世誕生日・国家の日・父の日の振替)、12 月 10 日 (憲法記念日)、12 月 31 日 (大晦日)
年によって日付が変わる休日もあるんですね。
仏教の行事に関わる休日は、年ごとに日付が動きます。配信日を決めるときは、その年の告示を確かめてください。ここまでで、何をいつ出すかは決まりました。次は手順として並べてみましょう。
タイ語の情報を用意する手順
実際に動くとき、何から始めればいいですか?
次の順番で進めると、途中で止まりにくくなります。
手順
自社の社名・製品名で、タイ語と英語の検索をして、いま何が出てくるかを確かめる
社名と製品名のタイ語表記を 1 つに決め、タイ法人があれば登記の表記と合わせる
代理店候補と会う日から逆算して、発表の題材と配信日を決める。タイの休日を避ける
日本語の原稿を、タイの読者向けに直してからタイ語にする。タイ語を読める人に確認してもらう
配信し、掲載された記事の URL を一覧にする
掲載 URL を会社案内・提案資料・メール署名に入れ、代理店候補に渡す
最初の「自分で検索してみる」は、すぐできますね。
はい。タイ語で社名を入れて、何も出てこないか、別の会社が出てくるかを見るだけでも、準備の量が分かります。原稿は日本語のまま訳すより、タイの読者が知りたい順に並べ替えてから訳すと、媒体にも読者にも伝わりやすくなります。
並べ替えというのは?
日本の発表は会社の沿革から入ることがありますが、タイの代理店候補が先に知りたいのは、何をタイで売るのか、どこに問い合わせればいいのか、です。そこを冒頭に置き、会社の紹介は後ろに回します。ここで一度、日本で代理店を探すときとの違いも確かめておきましょう。
タイと日本で、代理店探しの準備はどう違うか
日本で代理店を探すときは、ここまで準備したことがありません。
日本の取引先は、日本語の会社情報や業界紙の記事、信用調査会社の情報などで、たいてい確かめられます。タイの代理店候補にとっては、日本語の情報は読めないので、その確認の材料が丸ごとない状態になります。
日本では当たり前にあるものが、タイでは見えていないということですね。
その理解で合っています。日本では業界で名前が知られている会社でも、タイ語で検索した相手にとっては、初めて聞く会社です。だから、相手が読める言語で、自社以外の媒体に載った情報を用意する必要があるんです。次は、そのタイ語の記事を用意する手段を比べます。
タイ語の記事を用意する手段の比較
タイ語の記事を用意する方法は、どんなものがありますか?
主に 3 つです。自社で媒体に直接送る、配信サービスを使う、PR 会社に委託する、です。
| 手段 | タイ語の原稿 | 記事になるか | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| 自社で媒体に直接送る | 自社で用意する | 媒体が取り上げるかどうかによる | タイ法人に広報担当がいて、記者の連絡先を持っている |
| 配信サービスを使う | サービスによって翻訳がある | サービスの条件による | タイに広報担当がおらず、商談の日程が決まっている |
| PR 会社に委託する | 委託先が作ることが多い | 取材や寄稿を含めて任せられる | 継続して発信し、取材対応まで任せたい |
うちはタイに広報担当がいないので、配信サービスか PR 会社になりそうです。
一例として、このメディアを運営している海外PR.jp は、タイを含む対応国で 1 か国 1 配信 50,000 円 (税別) で、10 媒体以上への掲載を保証しています。掲載先は総合ニュースサイト、ビジネス・経済系、業界専門メディアが中心です。
タイ語の翻訳オプションは 1 言語 20,000 円 (税別) なので、タイ 1 か国にタイ語で出す場合は合わせて 70,000 円 (税別) です。掲載メディア名と URL の一覧は配信から 5 営業日が目安で届くので、その URL を代理店候補に渡す資料に入れる使い方ができます。時期によりキャンペーン価格の場合があるので、最新は公式サイトで確認してください。
載った記事が、そのまま「第三者の情報」になるわけですね。
はい。ただ、記事が載ったから代理店が見つかる、というものではありません。相手が確かめたいときに確かめられる材料がある、という状態をつくるまでが発表の役割です。
タイの代理店探しで準備することのまとめ
最後に、今日の話を表にしてもらえますか。
場面ごとに、判断と確認先を並べます。制度や休日は変わることがあるので、最新は公式サイトで確認してください。
| 場面 | 判断の目安 | 確認先 |
|---|---|---|
| 相手が登記を確かめる | タイ法人があれば、登記の社名表記と発表の表記をそろえる | https://datawarehouse.dbd.go.th/ |
| 相手がタイ語で検索する | タイ語の発表を 1 本出し、タイ語表記を 1 つに決める | https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/asia/post_150 |
| 資料を渡す | 体制・販売条件・第三者の情報 (掲載 URL) を入れる | 自社の資料 |
| 配信日を決める | 訪問の 3〜4 週間前。タイの休日を避ける | https://www.bot.or.th/en/financial-institutions-holiday.html |
返事が止まった 2 社にも、資料を作り直してからもう一度連絡してみます。
それがいいと思います。タイのメディアの全体像はタイのメディア事情|タイ語メディアと英字メディアの使い分けの考え方、6 か国共通の考え方は海外の代理店探しで信用を得る方法|東南アジアで社名を検索された時の備えにまとめています。
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よくある質問
タイに法人がなくても、タイ語の発表は出せますか?
出せます。法人の有無より、問い合わせ先をはっきり書くことが大事です。日本の本社が窓口になるなら、タイ語か英語で対応できる連絡先を書いてください。
タイ語ではなく英語の発表だけでは足りませんか?
英語の記事も、英語で仕事をする担当者には役立ちます。ただ、タイ語で検索する相手には届きにくい場合があります。代理店探しが目的なら、タイ語を先に用意する方が向いています。
代理店候補と会う日がまだ決まっていない場合は?
先に参入や新製品の発表を出しておく方法があります。記事は検索で残るので、会う日が決まったときに URL を資料に入れられます。配信日はタイの休日を避けて選んでください。
参考にした公開情報
執筆・編集: 海外PR.jp 編集部 (VRI Creatives)。東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。
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