インドネシアの食品展示会で発表も出す?バイヤーに伝える情報と言語の選び方
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この記事の要点
- インドネシアの食品展示会で名刺を交換したバイヤーが後から社名を調べたとき、インドネシア語か英語の第三者の記事があれば、商談資料に加えられる
- 出展だけで終えるか発表も組み合わせるかは、準備の手間、配信の時期、商談資料での使い方の 3 点で比べる
- インドネシアの公用語はインドネシア語で、現地の小売・外食の担当者やインドネシア語の媒体に向けた発表はインドネシア語で出す (JETRO の資料による)
- ハラール認証やインドネシア語表示は、発表では自社の状況を事実だけ書き、制度の判断は輸入者や JETRO の窓口と確認する
- 掲載記事の URL は、会期後のお礼メールと提案資料に、媒体名と見出しを添えて載せる
インドネシアに自社の食品を輸出したいと考えていて、ジャカルタの食品展示会への出展を検討しています。気になっているのは、展示会で名刺を交換したバイヤーが後で社名を調べたときに、インドネシア語や英語の情報が何も出てこないことです。
日本語の会社サイトと日本語のニュースしか出てこないと、バイヤーの手元に残る判断材料は名刺とパンフレットだけになります。今日は、展示会の出展だけで終えるか、現地での発表も組み合わせるかを決めるための比べ方を見ていきます。
社内では「展示会に出れば十分では」という声もあります。
出展だけで十分な場合もあります。なお、発表を出しても問い合わせが来るかどうかは相手次第なので、そこは約束できません。記事を何に使えるかまでを扱います。
インドネシアの食品展示会で、出展だけだと手元に残らないもの
展示会では、その場でかなり話せるはずです。それでも足りないものがあるんでしょうか。
足りなくなるのは、商談が終わったあとに相手が見返す材料です。JETRO の出展ガイドでは、見本市の主催者は会場まで来場者を集めるものの、会場に来た人を自社ブースに呼ぶのは出展者自身で、広報は主催者と出展者の共同作業だとしています。会場の外で何を見せられるかは、出展者が準備するしかありません。
会場の外、というのはバイヤーが会社に戻ったあとのことですね。
そうです。バイヤーが会期の前後に社名や商品名を検索するかどうかは、裏づける調査が見つかっていません。ただ、調べられた場合に、インドネシア語か英語で読める第三者の記事があるかは、出展者が前もって準備できる部分です。
なるほど。では、出展だけの場合と発表を組み合わせる場合を、具体的に比べてみたいです。
出展だけか、インドネシア語の発表も組み合わせるかの比べ方
何を基準に比べればいいでしょうか。
準備の手間、配信の時期、商談資料での使い方の 3 つで比べると、社内で説明しやすくなります。表にするとこうなります。
| 比べる点 | 出展だけ | 出展 + 会期前後の発表 |
|---|---|---|
| 準備 | ブース、試食・見本、パンフレット、商談シート | 左に加えて、発表の原稿、写真、インドネシア語か英語への翻訳 |
| 時期 | 出展が決まってから会期まで | 原稿は会期の 1 か月前までに固め、会期前の発表は案内状を送るのと同じ時期に出す |
| 商談資料での使い方 | 会社サイトと製品カタログを渡す | 掲載記事の URL を案内メール、商談シート、お礼メールに載せられる |
| 社名を検索されたとき | 自社が書いたページが中心 | 第三者の記事が出る場合がある (出るかどうかは媒体と検索の仕組みによる) |
費用が増えるのは当然として、時期の欄が気になります。会期の 1 か月前に原稿を固めるのは、早すぎませんか。
JETRO の出展ガイドでは、広報の内容を決めて製作するのは、出展スペースが確定してから会期の 1 か月前までとしています。案内状を送るのは会期の約 14 日前です。翻訳と社内確認の時間を考えると、原稿は会期の 1 か月前までに固めると、会期前の発表を案内状と同じ時期に出せます。
出展だけで十分なのは、どんな場合でしょうか。
すでにインドネシアの輸入者や代理店が決まっていて、展示会はその相手と一緒に既存の取引先に会う場、という場合です。その場合は、輸入者が自分の取引先に説明してくれます。逆に、これから輸入者や代理店の候補を探す段階なら、商談後に渡せる材料を増やしておくほうが比べやすくなります。
輸入者を探す段階か、もう決まっているか、が最初の分かれ目なんですね。
その理解で合っています。次に、発表を出す場合にインドネシアのバイヤーに何を伝えるかを見ます。
インドネシアの食品バイヤーに伝える情報とハラール認証の書き方
発表に書く内容は、日本の新商品のリリースと同じでいいですか。
商品の説明は近いのですが、インドネシア向けの食品では次の項目を入れておくと、読んだ人が次に何を聞けばよいか分かります。
| 項目 | 書く内容 | 書き方の注意 |
|---|---|---|
| 展示会の情報 | 展示会名、会期、会場、ホール番号・ブース番号 | 主催者の公式カタログの表記と合わせる |
| 商品 | 商品名、原材料、内容量、食べ方・使い方 | 日本では説明しなくても通じる食べ方を 1 文で添える |
| つくり手と産地 | 会社名、所在地の都道府県、製造している年数 | 「こだわり」より、確認できる事実を書く |
| ハラール認証 | 取得済みか、申請中か、取得していないか | 取得済みなら認証の発行機関と対象の商品名を書く。取得していない商品を「ハラール対応」と書かない |
| インドネシア語表示 | 輸入者と準備を進めているか | 表示の要件の判断は輸入者と確認する。発表では準備の状況だけを書く |
| 取引の条件と連絡先 | 最小ロット、保存温度、賞味期限、英語で対応できる担当者 | 決まっていない条件は書かず、問い合わせ先に聞いてもらう |
ハラール認証の欄は、制度を理解していないと書けない気がします。
発表で書くのは自社の商品の状況だけで、制度の解説は要りません。背景として、公的な発表で確認できる範囲だけ言います。JETRO の菓子の輸入規制のページでは、インドネシアの国内で流通する加工食品は 2024 年 10 月 17 日以降、ハラール認証を受けることが義務付けられ、海外から輸入される加工食品は最大で 2026 年 10 月 17 日まで猶予されたと書かれています。
その猶予の期限は、もう過ぎていますね。
はい。インドネシアのハラール製品保証実施機関 (BPJPH) の発表では、ハラール認証の義務の次の段階は 2026 年 10 月 18 日から始まります。一方で JETRO は 2026 年 9 月の時点で、期限のあとに認証を取っていない輸入品をどう扱うかを含めて、不透明な状況だと伝えていました。ですから、発表の原稿を書く時点で、輸入者と JETRO の窓口に最新の扱いを確認するのが安全です。
インドネシア語表示のほうはどうですか。
JETRO の資料だと、インドネシア国内で売買される商品にはインドネシア語のラベル表示が義務付けられていて、加工食品には国家医薬品食品監督庁 (BPOM) の別の規定があります。菓子についての記載では、輸入者が BPOM に登録して流通許可を取る必要があるとしています。表示と登録は輸入者と一緒に進める手続きなので、発表では「輸入者と準備を進めている」と状況を書くところまでにします。
食品の発表で止まりやすいところ
- ハラール認証を取っていない商品を「ハラール対応」「ムスリムの方も安心」と書く。認証の有無と言い回しを一致させる
- 認証を取った商品と取っていない商品を、1 つの発表で区別せずに並べる。商品ごとに書き分ける
- 制度の要件や期限を発表の中で解説しようとする。発表は自社の状況を伝えるもので、制度の判断は輸入者と JETRO の窓口で確認する
- 原材料の表記が、パッケージ、商談シート、発表でばらばらになる。翻訳の前に日本語の表記を 1 つに決める
書かないことを決めておくのも大事なんですね。次は、原稿をインドネシア語で出すか、英語で足りるかを知りたいです。
インドネシア語で出す場面と、英語で足りる場面
インドネシアのバイヤーなら、英語でも読めるのではと思っていました。
英語で足りる場面もありますが、まず事実から言うと、JETRO の資料ではインドネシアの言語はインドネシア語です。国立国会図書館が各国を代表する新聞として集めているものも、インドネシア語の新聞と英語の新聞の両方があります。どちらの言語で出すかは、誰に読ませたいかで決めます。
| 場面 | 言語の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 現地の小売・外食・卸の担当者に読んでほしい | インドネシア語 | 公用語がインドネシア語で、インドネシア語の媒体に載せたい場合も同じ |
| 輸入商社の担当者と英語でやりとりしている | 英語でも始められる | 担当者が英語で読む場合がある。ただし相手の社内で共有されるときはインドネシア語の資料を求められることがある |
| 展示会に国外のバイヤーも来る | 英語とインドネシア語の 2 本 | 来場者の国籍が分かれるため。どちらか 1 本なら、主に会いたい相手の言語を選ぶ |
英語で出しておけば両方に届きそうですが。
インドネシア語の媒体に載せたいなら、インドネシア語の原稿が要ります。JETRO の出展ガイドも、案内状やパンフレットは英語または開催国の言語で作るとしています。中小機構 (J-Net21) の Q&A では、欧米なら英語だけで通用する場合もあるが、アジアでは現地語の通訳が必要になると書かれています。現地の小売や外食の担当者に届けたいなら、インドネシア語の 1 本を最初に用意するのがよいと思います。
翻訳は、日本語から直接インドネシア語にすればいいですか。
日本語の原稿を先に直してから翻訳すると、商品名や原材料の表記が揃います。直し方はプレスリリース翻訳前の日本語原稿の直し方|東南アジア向けに先に直す 6 か所で詳しく扱っています。インドネシアの媒体の種類はインドネシアのメディア事情|媒体の種類・言語・全国と地方の見分け方にまとめています。
会期から逆算する、インドネシアの食品展示会の準備の手順
出展と発表を組み合わせる場合、何から手を付ければいいでしょうか。
JETRO の出展ガイドの時期の目安に、発表の準備を重ねると次の順番になります。出展スペースの確定は会期の 6〜9 か月前、広報の内容の確定はそこから会期の 1 か月前まで、案内状は会期の約 14 日前、商談相手へのお礼は帰国後 1 週間以内です。
手順
出展が決まった時点で、発表を出すか、出すなら何語で何本出すかを決め、翻訳と配信の予算を出展の予算と一緒に確保する
ハラール認証の取得状況と、インドネシア語表示・BPOM 登録の準備状況を輸入者に確認し、発表に書ける事実を商品ごとに書き出す
会期の 1 か月前までに日本語の原稿を固め、商品名・原材料の表記を揃えてからインドネシア語 (必要なら英語) に翻訳する
会期の約 2 週間前、案内状を送るのと同じ時期に会期前の発表を配信し、展示会名・会期・ブース番号を入れる
会期後、掲載記事の URL を媒体名・見出しと一緒にお礼メールと提案資料に載せ、帰国後 1 週間以内に送る
商談で多かった質問への答えや輸入者の決定など、続報があれば会期後の発表として出す
配信日は、インドネシアの祝日も気にしたほうがいいですか。
はい。インドネシアにはレバラン (断食明け) の連休があり、会期や配信日が重なるかは年ごとに確かめる必要があります。配信日の決め方はインドネシアのレバランとプレスリリース配信日の決め方|連休の前後と逆算で扱っています。
お礼メールに URL を入れるとき、気を付けることはありますか。
URL だけを貼るより、媒体名、記事の見出し、掲載日を 1 行ずつ添えると、相手が開く前に何の記事か分かります。
お礼メールと提案資料に載せるもの
- 商談のお礼と、その場で答えられなかった質問への回答
- 掲載記事の媒体名、見出し、掲載日、URL
- ハラール認証の状況と、インドネシア語表示の準備状況を商品ごとに 1 行ずつ
- 次に確認したいこと (見本の送付、価格表、最小ロット) と担当者の連絡先
日本の展示会のフォローと比べて、違いはありますか。
日本の展示会なら、相手が後で日本語のニュースや業界紙で社名を見つけることがあります。インドネシアでは、日本語の情報だけだと相手が読めない場合があります。インドネシア語か英語で読める情報を、自分で用意しておく必要がある点が日本との違いです。
準備の順番が見えてきました。最後に、発表をどう出すかの手段を比べたいです。
展示会に合わせた発表を出す手段を比べる
発表を現地の媒体に届けるには、どんな方法がありますか。
大きく分けて 4 つです。
| 手段 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 主催者やジャパン・パビリオンの広報に任せる | JETRO のジャパン・パビリオンで出展する | JETRO の出展ガイドでは、パビリオン全体の広報を JETRO が行うとしている。個社の発表にはならない |
| 自社で現地の記者に直接送る | 送付先の記者を主催者などから紹介してもらえる | インドネシア語の原稿と送付先の一覧を自社で用意する。掲載されたかを自分で探す |
| 配信サービスを使う | 会期に合わせて配信日を決めたい | 掲載の条件や報告の形はサービスによって違う |
| PR 会社に委託する | 記者への個別の働きかけや取材の調整まで頼みたい | 費用は内容によって大きく変わるので、見積もりで範囲を確認する |
配信サービスの場合、掲載されたかどうかは分かるんですか。
サービスによります。一例として、私たちが運営している海外PR.jp では、インドネシアへの配信は 1 か国 1 配信 50,000 円 (税別) で、10 媒体以上への掲載を保証しています。インドネシア語への翻訳オプションは 1 言語 20,000 円 (税別) なので、インドネシアに 1 言語で出す場合は合わせて 70,000 円 (税別) です。時期によりキャンペーン価格の場合があるので、最新は公式サイトで確認してください。
掲載されたかどうかは、どうやって確かめるんですか。
海外PR.jp では、配信から 5 営業日が目安で、掲載メディア名と URL の一覧のレポートが届きます。会期前に配信すれば、会期後のお礼メールや提案資料に、その一覧から URL を載せられます。どの媒体に載るかは約束できず、掲載先は総合ニュースサイト、ビジネス・経済系、業界専門メディアが中心です。
インドネシアの食品展示会と発表の確認先まとめ
最後に、判断の場面と確認先を表にします。制度や展示会の情報は変わるので、最新は公式のページで確認してください。
| 場面 | 判断の目安 | 確認先 |
|---|---|---|
| 出展だけか、発表も出すか | 輸入者を探す段階なら、発表を組み合わせて商談資料を増やす | 自社の出展目的 |
| 展示会を探す | 会期・会場・来場者の種類を見て選ぶ | JETRO 見本市・展示会情報 (J-messe) https://www.jetro.go.jp/j-messe/ |
| 発表の言語 | 現地の小売・外食向けはインドネシア語。英語の担当者には英語でも始められる | JETRO インドネシア 概況・基本統計 https://www.jetro.go.jp/world/asia/idn/basic_01.html |
| ハラール認証の書き方 | 取得状況を商品ごとに事実で書く。最新の扱いは輸入者と確認 | BPJPH https://bpjph.halal.go.id/ 、JETRO ビジネス短信 https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/43738a1d6565b5f6.html |
| インドネシア語表示 | 表示と BPOM 登録は輸入者と進め、発表では準備状況だけ書く | JETRO 貿易・投資相談 Q&A「ラベル表示: インドネシア」 https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-091103.html |
| 会期前後の時期 | 原稿は会期 1 か月前まで、配信は案内状と同じ約 2 週間前、お礼は帰国後 1 週間以内 | JETRO「初めての海外見本市のために」 https://www.jetro.go.jp/ext_images/j-messe/column/pdf/exhibition_point.pdf |
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6 か国共通の展示会の告知の手順は海外展示会の出展告知を東南アジアの現地メディアに出す手順|会期前後の 3 回、代理店探しで社名を検索されたときの備えは海外の代理店探しで信用を得る方法|東南アジアで社名を検索された時の備えで扱っています。インドネシア向けのほかの記事はインドネシアのページ、販路開拓の記事は販路・パートナー開拓にまとめています。
よくある質問
インドネシアの食品展示会に出るなら、現地での発表も出したほうがいいですか?
輸入者や代理店の候補をこれから探す段階なら、会期前後の発表を組み合わせると、商談後に渡せる材料が増えます。すでに輸入者が決まっていて既存の取引先に会う場なら、出展だけでも足ります。どちらでも、問い合わせが来るかは相手次第です。
インドネシア向けの発表は英語だけで足りますか?
輸入商社の担当者と英語でやりとりしているなら、英語でも始められます。現地の小売・外食の担当者やインドネシア語の媒体に届けたいなら、インドネシア語の原稿を用意します。インドネシアの公用語はインドネシア語です。
ハラール認証を取っていない食品でも、発表を出していいですか?
発表を出すこと自体はできますが、取得していない商品を「ハラール対応」と書かないようにします。BPJPH はハラール認証の義務の次の段階を 2026 年 10 月 18 日からとしています。認証を取っていない輸入品の扱いと輸入できるかどうかは、輸入者と JETRO の窓口で最新の状況を確認してください。
参考にした公開情報
- JETRO「初めての海外見本市のために ~出展のポイント~」(日本貿易振興機構 海外展開支援部、2023 年 12 月)
- 中小機構 J-Net21 ビジネスQ&A「海外の展示会に出展する際のポイント」
- JETRO インドネシア 概況・基本統計
- 東南アジアの新聞 | リサーチ・ナビ | 国立国会図書館
- JETRO 菓子の輸入規制、輸入手続き (インドネシア)
- JETRO 貿易・投資相談Q&A「ラベル表示: インドネシア」
- JETRO ビジネス短信「ハラール性確認の船積み前検査を定める法令が施行(インドネシア)」(2026 年 9 月 18 日)
- BPJPH (インドネシア ハラール製品保証実施機関)「BPJPH dan K/L Terkait Rakor Perkuat Kebijakan Produk Impor Jelang Implementasi Wajib Halal Oktober 2026」
執筆・編集: 海外PR.jp 編集部 (VRI Creatives)。東南アジア・オーストラリア向けの、掲載保証付きプレスリリース配信サービスです。 編集方針・運営者について
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